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WRCに惹かれて

Posted on : 27-04-2006 | By : Mekk | In : コラム, , 雑談

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WRC。聞きなれない言葉かもしれない。
正式名称はWorld Rally Championship。
つまり、ラリーの世界選手権。

F1と言えば、モータースポーツに興味の無い人も名前くらいは知っていると思う。世界一早い車のレースだ。F1はすごく簡単に言うと”サーキットで競う”トップカテゴリー(世界一)のレース。
一方WRCは”公道で競う”トップカテゴリーのレース、という所。

私がそのWRCに魅せられたのはかなり前の事になる。
14年前の1992年。スバルからインプレッサが発売された。
4WDでハイパワーなレースの為の車。
正直な所、その時は全く興味が無かったのだけど。
そのすぐ後、何かの偶然で雑誌の記事のWRCを見る機会があった。


当時、車のレースと言えばF1ばかり。
TVでF1を見ても、面白いのだけれど気持ちは今ひとつ盛り上がらない。
すごいテクニックで、すさまじい速さで。
世界一の車のレースなのだけど、何か別世界の話の様に見えて。
大体、車とは言っても形が普通の車じゃない。
野球やサッカーがそうだけど、スポーツを見て共感したり感動したりする要素の一つに”身近さ”があると思うのだけど、それがF1には感じられない。

ところがラリーと言うレースはF1とは違う。
見た目はまさに街中を走っている車にそっくり。(もちろん市販車とは全く違うのだけど)
車種もランチャやフォード、スバル、トヨタ(当時、トヨタは参戦していなかったと思う)…と、知っているメーカーで知っている車種。
そんな車で公道(!)を猛烈なスピードで走っていく。
見たことも無いような向きに車を向けて、横に走りながらコーナーを曲がっていく。
今までF1を見ても感じなかった興奮がラリーから伝わってきた。

何を見たのかは覚えていないし、誰が走っていたのかも覚えていない。
でも一人だけ記憶に強く残ったドライバーがいた。
当時希少だったWRCの動画をビデオで買って彼が走っていたのを覚えている。

そこで激走していたのが英国出身のドライバー、コリン・マクレー。
1993年にインプレッサに乗ってWRCチャンピオンに。
若干25歳!世界最年少チャンプの記録も樹立。

他のドライバーを全く寄せ付けないアグレッシブな走り。
全く車の運転をしていなかった俺が、興味を持ってしまうほどの走りだった。
また見た目からは想像できない気性の荒い走りが、より気持ちよかった。
優勝かリタイヤか。若い頃のコリン・マクレーはそんな荒さが魅力だったと思う。

余談だが昔から極端なスポーツ選手に惹かれる。

テニスで一時代を築いたマッケンロー。
異常なほど気性が激しく、上品なテニスを全く無視した試合。
審判にたて突き、ミスをしては自分に怒りをぶつけラケットを放り投げる。

同じくテニスで世界最速のサーブを誇ったゴラン・イヴァニセビッチ。
決まりだすと誰も返せないようなサーブを叩き込み、長身を活かしたしなやかさでグランドストローク(普通にワンバウンドして打ち返す時)もすさまじく強烈。
しかし、なんともナイーブな正確。
プレッシャーに弱く、ここぞと言うときに自滅する。
しかも武器のサーブが入らなくなる負け方。
遂にウィンブルドンでは準優勝しか出来なかった…。

誰もが知っているところでは野球の野茂。
日本では説明が要らない程の名選手。
三振かホームランを打たれるか。一試合に10以上の三振を奪いながら試合に負けるなんてことも良くあった。

WRCを走るコリン・マクレーには、同じ熱さが感じられた。

今、コリン・マクレーはWRCを離れ、イベントや地方レースなどを走っている。
昨年(2005年)はスポット参戦で2~3戦はWRCに出ていたけれど、マシン、メーカーとも2流クラス。
優勝と言うよりは、イベントを楽しむ為に参戦したといっても良いだろう。
にもかかわらず彼は、2流の車を出来る限り高順位でゴールすべく本気で走り、皆の予想を覆す快走を見せていた。残念ながらマシントラブルでリタイヤを余儀なくされてしまったが、まだまだ現役で走れるその姿は見ていて爽快だったのは記憶に新しい。

現在スバルのトップドライバーを務めるペター・ソルベルグも”熱いドライバー”で有名な一人。
優勝すればコクピットで騒ぎ、リタイヤすればインタビューに応えられなくなるほど落胆する。
そんな彼の姿に日本人ファンは非常に多い。
そんな彼も2003年にチャンピオンになりながらも2005年~2006年とマシンや取り巻く環境の不調から、勝利から遠ざかっている為、最近はトーンダウン気味だが、それだけに毎レース「今度こそ」という思いで見入ってしまう。
彼の忘れられないシーンの一つが去年のジャパンラリー。
不調の真っ最中だったにも関わらず、マシンの改良がずばり当たってトップを独走。
もう優勝は間違いなく彼の手中にあると皆が思っていたはず。
それが、最終日。ゴールまで後わずかと言うところで、不遇のリタイヤ。
コースの真ん中におおきな石が転がっているなんて誰が想像しただろう。

ラリーは通常のサーキットと違い、レースのルールや進行を知っていないと楽しみにくく判りにくい。
しかし、そのちょっとだけ複雑な状況を把握すると、その中にはドラマがひしめき合っている。
このドラマチックさはF1をはじめとするサーキットのレースでは味わえない緊張感で、楽しさでもある。
車に興味があり、モータースポーツに興味がある人には是非WRCをお勧めしたい。
もし、その見慣れないレースを受け入れられたら、他のレースでは得られない楽しさを得られると思う。

ヨーロッパではサーキットのレースよりラリーの方が人気の高い国も少なくない。
そんな国でWRCはF1とは比べ物にならない位の人気を誇っている。
なんといっても自宅の前で世界チャンピオンシップが行われるんだ。
そんなレースはWRCを置いて他に無い。

繰り返しになるが、
レースと車に興味がある人にはラリーをお勧めする。

—おまけ—
20代半ばで買える車では無かったインプレッサだけど。ついに買ってしまった。
その時の情熱があったから…なんて書くと笑われるかな?(苦笑)

>>スバルホームページ

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